ユルユル裁判傍聴レポート

事件は法廷で起きている。裁判傍聴初心者が主に東京地裁で傍聴した刑事裁判について、ゆるーく書いていきます。

法廷で証言した妻も一緒に逮捕されていた!

罪名:大麻取締法違反(所持、営利目的譲渡)

被告:30代男性、釈放済み(黒スーツに白シャツ、ノーネクタイ)

担当部:刑事18部

裁判官:瀧岡俊文(今年度異動してきた方。色黒で東南アジア系のお顔立ち)

検察官:?(おそらく今年度異動してきた方)

弁護人:名前聞き取れなかったけど爽やかなイケメン

 

4月は公判が少なかった裁判所も、ようやく今週から通常営業。途中から傍聴したこちらの裁判は手続き分離して審理をするよう(前回までは共犯者がいたのかも?)。

 

被告人は清潔感のあるすらっとした30代。スーツが似合うのでサラリーマンかと思いきや以前はアルバイトで今は無職。

 

 弁護側の証拠で友人の陳述書が読み上げられ、「10年前にイベント(おそらく音楽系)で知り合って今も家族ぐるみの付き合いで月1回は遊んでいる仲(家族でBBQしたり)。今後は(友人の仕事である)塗装業の仕事を一緒にしたい」

 

その他の証拠として薬物依存のクリニックの治療レポート、被告の母親の陳述書を提出。母親の陳述書では「10代の時にアルバイトして初めてのお給料で私にバッグとブーツを買ってくれました。今でもそのバッグとブーツは使っています」と読み上げられ、証人として出席していた被告の父親は、涙をハンカチで拭う😢。母親は重い腎臓病を患っているそう。

 

証人尋問は被告の父親(60代)と妻(30代)。

 

尋問は父親から。

・被告が大麻をやっている、売っていることは知らなかった。

・結婚するまで被告と一緒に住んでいた。

・使用と所持で逮捕と聞いたときは信じられなかった。

・被告との関係は良好。(母親と被告の関係も良好)

・被告は毎日薬物依存の病院に通っている。

・被告には二度と手を出すな、更生してほしいと言っている。

・今の生活態度だったら更生できると思う。

・今の生活をしっかり見て、寄り添って家族と真面目に暮らしていくようにする。

・学生時代は不良っぽいこともしてたが生活は真面目だった。

・不良っぽい学生時代にしっかりさせなかったのは、妻が病気で自分も仕事が忙しくて見きれなかった。

 

つづいて妻への尋問。

・2013年に知り合って翌年結婚。子供は現在1歳。

・今週末より仕事に復帰予定。

・被告は現在は仕事をしていない。以前は週3日ほどアルバイトをしていた。

・生活費は月20〜30万ほど被告からもらっていた。(←週3日のバイトで30万は高い!)

・この金額はアルバイトでまかなえているとは思っていなかった。

・貯金から捻出しているのだと思っていた。

・貯金があると聞いていたが、その額までは知らなかった。

・アルバイトではなく正社員になってほしかった。

・貯金がなくなったら正社員として働くと言っていた。

・昨年末(逮捕される少し前)貯金が無くなりそうと言っていた。

・主人と一緒に飲食店を開きたいと思っている(3年前から準備している)。

大麻を売っていることは知らなかったが使っていることは知っていた。

・出会った頃は使用を咎めたが、そのうちやめると言っていたのでそれからは止めなかった。

・使用自体は自己責任、売ることは他人の生活に影響を与えてしまうことだと思うから売っていることを知っていたら止めていた。

逮捕時は奥さんも一緒に(!)夫婦で使用していたようです。あらら、、、

・なぜ止めなかったのか後悔している。

・罪を反省し、良い父親に戻ってほしい。

・自分もクリニックの家族プログラムに参加している。

・主人はとても家族思いで優しい人。

 

 ・検察官からの質問:自己責任ならいいと思ったのはいつ?→私自身も使用した時。

・結婚後に被告に勧められ使用した。

大麻を一緒に使うことで主人との時間を共有したかった(違うことで共有しようよ😩)

 ・主人の使っている姿を見て大麻が悪いものではないと思い始め、最初は断っていたのに一緒に使ってしまった。

・100回くらい使ってみたが、私は気持ち良くはならなかった。(そんなに回数多かったの!?😵)

・今は依存症になる人とならない人がいるのかもしれないが、犯罪という面で使ってはならない。

・頭や体への影響があると最近学んだ。

・被告は(刑務所に入ることになったら)家族と離れることを悲しんで泣いていた。

 

つづいて裁判官から質問。

・被告が使用している時、どうして周囲に相談しなかった?→所持は犯罪なので友人や家族には言えなかった。

 

つづいて被告人質問。

・依存症を克服できる人は全体の2割と聞いた。今は使いたくはならない。

・通院は数年続ける予定。

・2ヶ月以上留置され、迷惑をかけた人に謝罪したい。罪悪感もある。

・弁護人「逮捕前は罪悪感はあった?」→使用を重ねるごとに薄れていった。売ることには罪悪感があった。

大麻を求められると応えてあげたくなり、売っていた。

・妻も逮捕された。

・最初はやめてほしいと言われていたが、そのうちねと言っていた。

・妻の逮捕については、辛い思いをさせて申し訳ない。

・子供の両親がいきなりいなくなったことについては?→妻と娘を引き離してしまったことは申し訳ない。

・刑務所に入るかもしれないということについて→自業自得とはいえ、本当に辛い。

・子供にとって父親がいないことについて→コミュニケーションが取れるようになってきているので、そんな時に自分がいなくなることは子供にとって辛いと思う。

・母親の病状が悪い。19年前から週3日5時間程度の人工透析に通っている。

・刑務所に入ったら死に目にも会えないのではないかと思う。

・保釈金と弁護士費用は父親が用立てた。

・これまでパチンコ店、トラック運転手として正社員で働いていたことがある。

・これからは働きながらクリニックに通院する。

・夢である飲食店開業のため店舗を探したり、妻の母親に食品衛生の免許を取ってもらったりした。

・陳述書を描いてくれた友人のところで働いてお金を貯め、開店資金にする。

 

被告と家族が皆涙するしんみりとした公判でしたが、被告が大麻を売って得たお金は140万円!被告人、証人全員きちっとスーツを着ていて真面目な感じに見えたので、妻も一緒に使って逮捕されたと聞いてちょっと驚き。被告人も涙したり鼻水をすすったりしていて、充分反省しているようには見えました。ゴールデンウィーク明けに検察側の被告人質問&論告弁論です。