触った場所が陰部じゃないから「暴行」!?
罪名: 暴行
被告:20代男性、釈放済み(スーツに白シャツ、ネクタイ)
担当部:刑事11部
裁判官:井下田英樹
検察官:桜井尚輝 or 結城健介
弁護人:氏名不明
昨日最後に傍聴したのがこの裁判。
罪名が「暴行」なので、暴れそうなおじさんか輩系の若者が被告かと思って法廷に入ったら、被告はなんともおとなしそうな青年(浪人生っぽい雰囲気)。
新件でしたが途中から法廷に入ったため、その全貌を把握するまで時間がかかりましたが、今回の暴行は暴れたのではなく、幼い少女の体を触ったというもの。
なんでわいせつ罪じゃなくて暴行?と不思議でしたが、触った場所が陰部でなかったため暴行罪が適用されたようです。
触った場所が陰部じゃなくても、被害者本人やその親御さんの精神的被害は変わりないだろうし、気持ち悪いし許せないはず! それもこんな冴えない青年にそんなことされるなんて(冴えていたらいいわけではもちろんないが)。
被告人質問(弁護人から):
・バレないと思っていた部分はある。
・その時はやめられなかった。
・被害者に心の傷を負わせて反省している。
・子供は抵抗できなかったと思う。
・被害者二人の担任だった。←なんと、この被告は区立の小学校教師で被害者女子児童(7歳)の担任だった!😵
・学校関係者、家族にも迷惑をかけた。二度としないと誓う。
・被害者家族と示談を試みたが、できなかった。←そりゃそうでしょ😡
・教育委員会の決定で3月○日付で懲戒免職になった。
・昨年11月下旬に警察の聴取を受け、自宅待機を命じられた。
・被害者に謝罪しなければと思っていたが、警察から連絡を取るなと言われていた。
・1月に教育委員会から聴取を受けた時に退職届を出していた。
・現在は実家暮らしでアルバイトをしている。
被告人質問(検察官から):
※この検察官、罪が罪だからでしょうが大きな声で(オラオラ調で)被告を責め立てる。
・なぜ犯行に及んだ?→自分の欲求を抑えられなかった。
・どんな欲求?→女児の体に触りたいという性的な欲求。
・いつから欲求がわいた?→担任を持ってから何ヶ月かしてから。
・教育現場に出るまで自分の性癖の自覚はなかったのか?→はい。
・どうしてその性癖があるとわかったのに教師を続けていたのか?→当時一人暮らしで自分で生活費を稼がなければと思いがあった。仕事を続けていきたいと思っていた。
・辞めなければいけないと思わなかった?→向いてないと思う時は何度もあった。責任感が足りないと思っていた。
・葛藤はあったのかな?(※検察官、いきなり馴れ馴れしいタメ口に)→はい。
・(おそらく昨年の)9月頃から触り始めた。
・どういう抵抗や葛藤があった?→教師の立場なのにも関わらず、幼い子供の体を触ってしまうのは良くないと思いながらも、欲求を抑えられなかった。相手(被害者)のことは頭によぎらなかった。親のこともその時は思っていなかった。
・被害者は触られている時どんな顔をしていた?→表情には出していなかった。
・それを見てどう思った?→今思えば顔に出せないくらい怖かったのかもしれない。
・犯行後どう思っていた?→してはいけないことをしたと思った。
・なのにどうして繰り返し触った?→衝動を抑えられなかった。
・今回の被害者2人に対して何回くらい繰り返したか?→答えたくない。
・どういう子を選んだのか?→好みの子。抵抗しなさそうな子を選んだ。
・子供の影響を想像したか?→一生心に消えない傷を負ったままだと思う。
・心の傷とは?→大人の男性に対する恐怖心、異性への恐怖心。
・検察官:あと先生に裏切られたという思いもある!←その通り!👏
・被害者の両親はどう思っているか考えたか?→教員に対する信用を失ったと思う。
・どういう気持ちで学校に子供を預けているかわかるか?そこらへんよく考えて下さいね💢!
続いて裁判官からの質問:
(↑井下田裁判官は“東京地裁の名物裁判官”という傍聴マニアも多いようです。オジサン世代ですが、他の同世代の裁判官に比べて格段高い清潔感があります✨とにかく髪の分け目がいつもピッシリと綺麗✨加齢臭なんて全くしなそうで、むしろ上質な香水をつけていそうな品すらあります✨)
・犯行当時、本当に葛藤はあった?→家に帰った時に思った。
・思ったならその翌日に犯行をやめないのはなぜ?→衝動的な感情に流されていた。
・被害者は嫌がっていないと思っていた?→その時は嫌がるそぶりを見せなかったため、何も感じていないと思っていた。だから発覚しないと思っていた。←何も感じてないワケねーだろ💢
・被害者に言いたいことは?→心に一生消えない傷を負わせてしまい申し訳ありません。
・学校ではセクハラに気をつけるという、他の教師の指導も行なっていたようだが、学校に対してどう思うか?→教員の信用を落としたことを反省している。
・今後の人生をどう生きていくつもりか?→今は実家で両親と同居している。アルバイトをしながら就職活動をして両親の気持ちに応えるよう社会復帰を目指していく。
(※論告弁論の内容は省略します)
求刑:懲役8ヶ月
判決(被告が現在地方に住んでいるため即日判決):懲役8ヶ月執行猶予3年
担任を持った後に幼い女子が好きという性癖に気づいたって言っていたけれど本当か怪しい。幼い子が好きだったから小学校教諭になったのではと疑いたくなります。触った場所はお腹や腿あたりだったらしいのですが、被害者本人や親御さんからするとそれでも充分なワイセツ行為だと思います。どうか再犯しないようにしていただきたい。
法廷で証言した妻も一緒に逮捕されていた!
罪名:大麻取締法違反(所持、営利目的譲渡)
被告:30代男性、釈放済み(黒スーツに白シャツ、ノーネクタイ)
担当部:刑事18部
裁判官:瀧岡俊文(今年度異動してきた方。色黒で東南アジア系のお顔立ち)
検察官:?(おそらく今年度異動してきた方)
弁護人:名前聞き取れなかったけど爽やかなイケメン
4月は公判が少なかった裁判所も、ようやく今週から通常営業。途中から傍聴したこちらの裁判は手続き分離して審理をするよう(前回までは共犯者がいたのかも?)。
被告人は清潔感のあるすらっとした30代。スーツが似合うのでサラリーマンかと思いきや以前はアルバイトで今は無職。
弁護側の証拠で友人の陳述書が読み上げられ、「10年前にイベント(おそらく音楽系)で知り合って今も家族ぐるみの付き合いで月1回は遊んでいる仲(家族でBBQしたり)。今後は(友人の仕事である)塗装業の仕事を一緒にしたい」
その他の証拠として薬物依存のクリニックの治療レポート、被告の母親の陳述書を提出。母親の陳述書では「10代の時にアルバイトして初めてのお給料で私にバッグとブーツを買ってくれました。今でもそのバッグとブーツは使っています」と読み上げられ、証人として出席していた被告の父親は、涙をハンカチで拭う😢。母親は重い腎臓病を患っているそう。
証人尋問は被告の父親(60代)と妻(30代)。
尋問は父親から。
・被告が大麻をやっている、売っていることは知らなかった。
・結婚するまで被告と一緒に住んでいた。
・使用と所持で逮捕と聞いたときは信じられなかった。
・被告との関係は良好。(母親と被告の関係も良好)
・被告は毎日薬物依存の病院に通っている。
・被告には二度と手を出すな、更生してほしいと言っている。
・今の生活態度だったら更生できると思う。
・今の生活をしっかり見て、寄り添って家族と真面目に暮らしていくようにする。
・学生時代は不良っぽいこともしてたが生活は真面目だった。
・不良っぽい学生時代にしっかりさせなかったのは、妻が病気で自分も仕事が忙しくて見きれなかった。
つづいて妻への尋問。
・2013年に知り合って翌年結婚。子供は現在1歳。
・今週末より仕事に復帰予定。
・被告は現在は仕事をしていない。以前は週3日ほどアルバイトをしていた。
・生活費は月20〜30万ほど被告からもらっていた。(←週3日のバイトで30万は高い!)
・この金額はアルバイトでまかなえているとは思っていなかった。
・貯金から捻出しているのだと思っていた。
・貯金があると聞いていたが、その額までは知らなかった。
・アルバイトではなく正社員になってほしかった。
・貯金がなくなったら正社員として働くと言っていた。
・昨年末(逮捕される少し前)貯金が無くなりそうと言っていた。
・主人と一緒に飲食店を開きたいと思っている(3年前から準備している)。
・大麻を売っていることは知らなかったが使っていることは知っていた。
・出会った頃は使用を咎めたが、そのうちやめると言っていたのでそれからは止めなかった。
・使用自体は自己責任、売ることは他人の生活に影響を与えてしまうことだと思うから売っていることを知っていたら止めていた。
逮捕時は奥さんも一緒に(!)夫婦で使用していたようです。あらら、、、
・なぜ止めなかったのか後悔している。
・罪を反省し、良い父親に戻ってほしい。
・自分もクリニックの家族プログラムに参加している。
・主人はとても家族思いで優しい人。
・検察官からの質問:自己責任ならいいと思ったのはいつ?→私自身も使用した時。
・結婚後に被告に勧められ使用した。
・大麻を一緒に使うことで主人との時間を共有したかった(違うことで共有しようよ😩)
・主人の使っている姿を見て大麻が悪いものではないと思い始め、最初は断っていたのに一緒に使ってしまった。
・100回くらい使ってみたが、私は気持ち良くはならなかった。(そんなに回数多かったの!?😵)
・今は依存症になる人とならない人がいるのかもしれないが、犯罪という面で使ってはならない。
・頭や体への影響があると最近学んだ。
・被告は(刑務所に入ることになったら)家族と離れることを悲しんで泣いていた。
つづいて裁判官から質問。
・被告が使用している時、どうして周囲に相談しなかった?→所持は犯罪なので友人や家族には言えなかった。
つづいて被告人質問。
・依存症を克服できる人は全体の2割と聞いた。今は使いたくはならない。
・通院は数年続ける予定。
・2ヶ月以上留置され、迷惑をかけた人に謝罪したい。罪悪感もある。
・弁護人「逮捕前は罪悪感はあった?」→使用を重ねるごとに薄れていった。売ることには罪悪感があった。
・大麻を求められると応えてあげたくなり、売っていた。
・妻も逮捕された。
・最初はやめてほしいと言われていたが、そのうちねと言っていた。
・妻の逮捕については、辛い思いをさせて申し訳ない。
・子供の両親がいきなりいなくなったことについては?→妻と娘を引き離してしまったことは申し訳ない。
・刑務所に入るかもしれないということについて→自業自得とはいえ、本当に辛い。
・子供にとって父親がいないことについて→コミュニケーションが取れるようになってきているので、そんな時に自分がいなくなることは子供にとって辛いと思う。
・母親の病状が悪い。19年前から週3日5時間程度の人工透析に通っている。
・刑務所に入ったら死に目にも会えないのではないかと思う。
・保釈金と弁護士費用は父親が用立てた。
・これまでパチンコ店、トラック運転手として正社員で働いていたことがある。
・これからは働きながらクリニックに通院する。
・夢である飲食店開業のため店舗を探したり、妻の母親に食品衛生の免許を取ってもらったりした。
・陳述書を描いてくれた友人のところで働いてお金を貯め、開店資金にする。
被告と家族が皆涙するしんみりとした公判でしたが、被告が大麻を売って得たお金は140万円!被告人、証人全員きちっとスーツを着ていて真面目な感じに見えたので、妻も一緒に使って逮捕されたと聞いてちょっと驚き。被告人も涙したり鼻水をすすったりしていて、充分反省しているようには見えました。ゴールデンウィーク明けに検察側の被告人質問&論告弁論です。